「整備交流会in羽田」開催 運航便間の整備士点検重要性確認
2015年11月28日(土)東京大田区羽田 フェニックスビルにて「整備交流会in羽田」が行われました。
テーマは「ANAが運航間の機体点検をパイロットのみで行い、整備士を非配置にして、不具合があった時に呼ぶ体制にしようとしている」として、
整備士、パイロット、グランドハンドリングの方々が集まって、その問題点が話されました。
整備士からは「航空機の正常な状態を知る機会として運航間の配置は重要であり、それが激減し、ライン整備士としての技量維持が困難になる。」、パイロットからは「外部点検は乗員と整備士では視点や時間軸に違いがあるのははっきりしている。整備士をいつでも呼べるというが、”今呼ぶと遅れるからやめよう”になる危険がある。」、出発時整備士に代わり、操縦室とのインターフォンや付帯作業をするグランドハンドリングからは「今でもハンドリング管理者は遅発コードを1分から報告させられ、手荷物などすべての作業を逐一完了時間をインプットしており忙しくストレスがかかる。その上、操縦室とのインターフォンや付帯作業では大変なことになる。」など、安全マージンの低下、技量維持低下、更なる職場の繁忙が挙げられました。
2007年08月の那覇空港における中華航空の炎上事故で、整備士(日本トランスオーシャン航空の受託整備士)が右主翼燃料タンクから燃料が漏れていることを確認し、ただちに機長にエンジン停止と消火装置の作動および緊急脱出をインターフォンで要請、まだ余熱のあったエンジンに引火し大火災が発生したが、幼児2人を含む全員が無事脱出しました。航空機がどのようなものかを熟知している訓練された航空整備士が飛行間で果たす役割が事例として紹介されました。
また、背景に整備士不足や、コスト削減などがあるとの意見も出されました。